Theorem
\(f:\mathbb{R}\to \mathbb{R}\)を実数の集合上で定義された実数値を取る関数とする。\(f\)が次の性質を満たすとする:
- \(f\)は\(0\)で連続であり、\(f(0)\neq 0\)である。
- ある実数\(c\in \mathbb{R}\)が存在して、\(f(c) < 1\)が成り立つ。
- 任意の実数\(x,y\in \mathbb{R}\)に対して、\(f(x+y) + f(x-y) = 2f(x)f(y)\)が成り立つ。
Proof
(3)の等式で\(x=y=0\)とすることで、\(2f(0) = 2f(0)^2\)が従う。従って、条件(1)より、\(f(0)=1\)である。(3)の等式で\(x=0\)とすることで、\(f(y) = f(-y)\)が従う。(3)の等式で\(y\to 0\)の極限を取ると、\(f\)は\(0\)で連続 (条件(1)) であるから、\begin{equation}(a) \ \ \ \ \ \ \ \lim_{y\to 0} (f(x+y) + f(x-y)) = 2f(x)\end{equation}が成り立つ。(3)の等式で\(x=y\)とすると\(2f(x)^2 = f(2x)+1\)となるので、従って\begin{align*}&(f(x+y) - f(x-y))^2 \\&= (f(x+y)+f(x-y))^2 - 4f(x+y)f(x-y) \\&= (f(x+y)+f(x-y))^2 - 2(f(2x)+f(2y)) \\&\xrightarrow{y\to 0} 4f(x)^2 - 2f(2x) - 2 = 0\end{align*}が成り立つ。ただしここで二つ目の等式は(3)の等式で\(x\)に\(x+y\)を、\(y\)に\(x-y\)を代入することで従う。以上より\[\lim_{y\to 0}(f(x+y)-f(x-y)) = 0\]が成り立つ。等式(a)と組み合わせることにより、\(\lim_{y\to 0} f(x+y) = f(x)\)が従う。特に\(f\)は\(\mathbb{R}\)の任意の点で連続である。次に、\(F(x) :\overset{\mathbb{def}}{=} \int_0^x f(t)dt\)と置く。(3)の等式の両辺を\(y\)で積分することにより、\(F(x+y) - F(x-y) = 2f(x)F(y)\)が従う。\(f\)は\(0\)で連続であり、\(f(0)=1\)であるから、ある\(y_0\neq 0\)が存在して\(F(y_0) \neq 0\)が成り立つ。すると、\(f(x) = (2F(y_0))^{-1}(F(x+y_0) - F(x-y_0))\)となる。右辺は\(x\)に関して\(C^1\)-級であるため、\(f\)も\(C^1\)-級となる。\(f\)が\(C^1\)-級であることから、\(F\)は\(C^2\)-級となり、これによって\(f\)も\(C^2\)-級であることが従う。ここで\(F(x+y) - F(x-y) = 2f(x)F(y)\)の両辺を\(y\)で3回微分すると、\(f''(x+y) + f''(x-y) = 2f(x)f''(y)\)が成り立つ。ここで\(y\)に\(0\)を代入することで、\(f''(x) = f''(0)f(x)\)が成り立つ。\(\alpha = |f''(0)| \geq 0\)と置くと、この微分方程式の解は、ある\(c_0 \in \mathbb{R}\)を用いて\[f=0, \ \ f(x) = c_0\cos(\alpha x), \ \ f(x) = c_0\mathrm{cosh}(\alpha x)\]と表すことができる。\(f(0) = 1\)であることから、\(f=0\)の場合は排除され、後者二つの場合でも係数が\(c_0=1\)に限られることがわかる。さらに条件(2)より、3つ目の場合が排除されて\(f(x) = \cos(\alpha x)\)の場合に限られ、さらに\(f\)は定数関数でないので\(\alpha > 0\)も従う。以上で証明を完了する。
Theorem
\(f:\mathbb{R}\to \mathbb{R}\)を実数の集合上で定義された実数値を取る関数とする。\(f\)が次の性質を満たすとする:
- \(f\)は\(0\)で連続であり、\(f(0)\neq 0\)である。
- ある実数\(c\in \mathbb{R}\)が存在して、\(f(c) < 1\)が成り立つ。
- 任意の実数\(x,y\in \mathbb{R}\)に対して、\(f(x+y) + f(x-y) = 2f(x)f(y)\)が成り立つ。
Proof
(3)の等式で\(x=y=0\)とすることで、\(2f(0) = 2f(0)^2\)が従う。従って、条件(1)より、\(f(0)=1\)である。(3)の等式で\(x=0\)とすることで、\(f(y) = f(-y)\)が従う。(3)の等式で\(y\to 0\)の極限を取ると、\(f\)は\(0\)で連続 (条件(1)) であるから、\begin{equation}(a) \ \ \ \ \ \ \ \lim_{y\to 0} (f(x+y) + f(x-y)) = 2f(x)\end{equation}が成り立つ。(3)の等式で\(x=y\)とすると\(2f(x)^2 = f(2x)+1\)となるので、従って\begin{align*}&(f(x+y) - f(x-y))^2 \\&= (f(x+y)+f(x-y))^2 - 4f(x+y)f(x-y) \\&= (f(x+y)+f(x-y))^2 - 2(f(2x)+f(2y)) \\&\xrightarrow{y\to 0} 4f(x)^2 - 2f(2x) - 2 = 0\end{align*}が成り立つ。ただしここで二つ目の等式は(3)の等式で\(x\)に\(x+y\)を、\(y\)に\(x-y\)を代入することで従う。以上より\[\lim_{y\to 0}(f(x+y)-f(x-y)) = 0\]が成り立つ。等式(a)と組み合わせることにより、\(\lim_{y\to 0} f(x+y) = f(x)\)が従う。特に\(f\)は\(\mathbb{R}\)の任意の点で連続である。次に、\(F(x) :\overset{\mathbb{def}}{=} \int_0^x f(t)dt\)と置く。(3)の等式の両辺を\(y\)で積分することにより、\(F(x+y) - F(x-y) = 2f(x)F(y)\)が従う。\(f\)は\(0\)で連続であり、\(f(0)=1\)であるから、ある\(y_0\neq 0\)が存在して\(F(y_0) \neq 0\)が成り立つ。すると、\(f(x) = (2F(y_0))^{-1}(F(x+y_0) - F(x-y_0))\)となる。右辺は\(x\)に関して\(C^1\)-級であるため、\(f\)も\(C^1\)-級となる。\(f\)が\(C^1\)-級であることから、\(F\)は\(C^2\)-級となり、これによって\(f\)も\(C^2\)-級であることが従う。ここで\(F(x+y) - F(x-y) = 2f(x)F(y)\)の両辺を\(y\)で3回微分すると、\(f''(x+y) + f''(x-y) = 2f(x)f''(y)\)が成り立つ。ここで\(y\)に\(0\)を代入することで、\(f''(x) = f''(0)f(x)\)が成り立つ。\(\alpha = |f''(0)| \geq 0\)と置くと、この微分方程式の解は、ある\(c_0 \in \mathbb{R}\)を用いて\[f=0, \ \ f(x) = c_0\cos(\alpha x), \ \ f(x) = c_0\mathrm{cosh}(\alpha x)\]と表すことができる。\(f(0) = 1\)であることから、\(f=0\)の場合は排除され、後者二つの場合でも係数が\(c_0=1\)に限られることがわかる。さらに条件(2)より、3つ目の場合が排除されて\(f(x) = \cos(\alpha x)\)の場合に限られ、さらに\(f\)は定数関数でないので\(\alpha > 0\)も従う。以上で証明を完了する。